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くぅばーたん 福になる7「カード交換会」 |
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「くーちゃん、病院前商店街の新年会へ、いっしょに行こうよ」 そう言って誘いに来たのは、カケス建設の社長、今泉千兵さん。くぅばーたんと、千兵さんは 幼馴染みだ。 病院前商店街は、隣駅の「病院前駅」から、市立病院にかけての商店街で、ここから歩いて三 十分ほどのところに有る。 「いやよ。商店会の新年会なんて、行きません。知らない人ばっかりだもん」 くぅばーたんは、まるで行く気無し。 「せっかく千ちゃんが誘いに来てくれたんだ、行っといでよ」 五郎さんが、そう言って勧めると、 「そんなに行きたければ、五郎ちゃんがいけばいいでしょう」 と、膨れっ面。 その顔を見て、千兵さんが、笑いながら、 「くーちゃんの膨れっ面、相変わらずお多福みたいだね」 と、五郎さんにささやいた。 五郎さんと千兵さんも幼馴染み。 「聞こえてますよ。お多福で悪かったわね。お多福は、その名の通り、福をいっぱい運んで来 る幸運の女神なんですからね」 千兵さんとくぅばーたんは、ケンカ友達でもある。 「ほい、女神さん、モタモタしてないで、急いで行かないと遅刻するよ」 と、千兵さんの熱心な誘いに乗って、くぅばーたんは、新年会へやって来たのだが‥‥。 新年会の会場は、人でごった返していて、それでなくても人見知りするたちのくぅばーたんは、 会場の隅で、立ち尽くすばかり。 (だから、来るのは嫌だっていったのよ。あたしがイヤな思いするのが分かっていたから、わ ざと誘ったに違いないわ、千兵の奴)
名刺を持って人々の間を挨拶して廻っているのは、議員さん達らしい。が、だれも、くぅばー たんには声も懸けない。 「選挙が近いって噂だから、議員の先生方も必死だよ」 と、得意げに名刺の束を持って、千兵さんがくぅばーたんに近づいて来た。 その時、病院前商店街の前会長が、くぅばーたんの姿を見て、大きな声でご挨拶。くぅばーた んのおじいさんの教え子だ。 「これはこれは、『大志館』のおじょうさん。新年、おめでとうございます」 皆の視線が、くぅばーたんに注がれた。 「おじょうさん」と呼ばれて、くぅばーたんは、恥ずかしくて消え入りそう。 加えて、千兵さんが、わざとらしい大声で、 「そういえば、奥さん、近々、この駅前で画廊を開くんですってねー。白百合幼稚園の理事に もなる予定ですって?ご活躍ですねー。『大志館』の管理、このカケス不動産にお手伝いさせて 下さいよ。『大志館』は、あれだけ広い屋敷で、店子も大勢居るから、大変でしょう」 と、いった。片目をつぶりながら。 とたんに、くぅばーたんの回りに人垣が出来て、四方八方から手が伸びて来た。名刺を差し出 す人たちの手が。 |