くぅばーたん 福になる5おかしいお菓子‥‥

 くぅばーたんは、キッチンのテーブルに肘をついて、考え事をしていた。その前には、「見て

ビックリ、食べてビックリ、焼き菓子集」の本。

 今からケーキを焼こうとしているくぅばーたんは、どのケーキを焼こうか、悩んでいた。

 昨夕、正太郎さん一家がディズニーランドから帰って来て、真夜中に美鈴さん一家が静岡から

帰って来た。

 間もなく、野口家の連中と、キーちゃん達がスキーから帰って来る。

 「大志館」の新年は、今から始まる。

 だから、くぅばーたんは、この「大志館」を、美味しい匂いで一杯にしようと思案中。

 「ばーちゃん、何考えてるの?」

 そう言って、キッチンへ顔を出したのは、タッ君とサーちゃん。

 「どのお菓子を焼こうか、考え中なのよ」

 くぅばーたんがそう答えると、

 「あたしが、いっしょに考えて上げる」

 と、サーちゃんが、お菓子の本をめくった。

 「そんなの考えなくたって決まってるジャン、プリンだよ。でっかーいプリン」

 プリンプリンスのタッ君の答えだ。

 「そんなのズルーイ!自分の好きなもので良いなら、アップルパイよ、あたしは」

 アップルプリンセスのサーちゃんの意見。

 「ぼくは、チョコレートケーキです」

 いつの間に来ていたのか、ナッちゃんの声。

 「イチゴのケーキが良いなー。クリームがいっぱいついてるのよ」

 イチゴちゃんは、ミーちゃんだ。

 「言わせてもらえばですね‥‥‥」

 と、ミーちゃんお父ちゃんの一也さんが言いかけると、

 「あんたはいいの。ダイエット中でしょう、お汁粉の食べ過ぎで」

 奥さんの美鈴さんが、一也さんの口を手で塞いだ。

 「正月ぐらい良いでしょう、好きにさせて上げなさい」

 くぅばーたんは、一也さんの味方だ。

 「では、遠慮なく言わせてもらうと、フルーツケーキですね。お義母さんのフルーツケーキの

あの濃厚な味は、天下一品です」

 その一也さんの意見に、美鈴さんは反対。

 「フルーツケーキは、作ってから3日間は寝かしておかなくてはダメなのよ」と。

 「ケーキが、寝るの?」

 「寝る分けないだろ、今年もバカだな、ミーちゃんは」

 「タッ君、ボクの妹をいじめないで。ミーちゃんは、小さいから‥‥」

 「すごーい、ナッちゃん、お兄さんらしくなったねー。タッ君、バカはあんた」

 と、サーちゃんが、タッ君の頭をつついた。

 それを見ていた五郎さんが、いった。

 「全部作っちゃえば?そんなの、おかしいかな?おかしいお菓子‥‥とか」

 五郎さんの初ダジャレ。

 (今年も、疲れる一年になりそうね)

 くぅばーたんが、クスンと、肩をすくめた。