くぅばーたん 福になる26宝探し

 

 

 探してごらん、虹の向こう。
 夢の下のシロクマさん。
 食べ過ぎちゃって、お腹が痛い。

 シクシク泣いたあの夜の、忘れられない子守唄。

 感謝の気持ち、さーどうぞ

 「大志館」の子どもたちは宝探し。サーちゃんと裕信君。ター君と真一君がそれに続き、ナッ 

ちゃんが遅れまいと後を追う。

 「虹の向こうは、この隠し部屋だろ」

 裕信君が、腕組みをして、部屋を見回した。

 大フロ場とサーちゃん達の部屋との間のこの部屋は、昔、太平洋戦争の頃、秘密の隠し部屋

だった。ドアが二重になっていて、窓もない。だが、フロ場の脱衣所の棚の板が外れる様になっ

ていて、窓に早変わり。脱衣場の床下からも隠し部屋への通路が繋がって、そこは、外の防空壕

にも続いていた。戦争中、憲兵に追われていたライさん一家を匿っていたのは、この部屋だ。

 戦争が終わって、この部屋は、二歳になったばかりのくぅばーたんが使うことになって、くぅ

ばーたんのパパが、壁一面に「オズの魔法使い」の物語の絵を書いた。

 「オズの魔法使い」といえば、「オーヴァー ダ レインボウ」(虹の向こう)が切っても切

りはなせない。

 それで、第一の謎、「虹の向こう」はこの部屋のことだと、推理したのだ

 その「オズの国」は、去年の秋、ビックリするような高額で、アメリカ人が買ってくれた。そ

のアメリカ人は、ライさんのお父さん、陳さん。

 壁をはがされたこの部屋は、まっさらな白い壁紙で囲まれている。

 「夢の下のシロクマさんって、なんだ?」

 「白い壁だから、シロクマかな?」

 「じゃ、夢の下は、何なの?」

 謎は、なかなか解けない。

 その時、ナッちゃんが、自信なさそうな小さな声で言った。

 「前にさ、ここで、サラちゃんが寝てたでしょ」

 「サラが寝てた?それが?」

 「その時、ミーちゃんが、パジャマ入れをかしてあげたの」

 「ばーか。それがこれと関係あるか?」

 ター君が、ナッちゃんをにらんだ。

 なっちゃんが、後ずさり。

 「いいから、ナッちゃん言ってみなさい」

 サーちゃんが、ター君を肘で押して、黙らせた。

 「ミーちゃんのパジャマ入れ、白いの。それで、くまが刺繍してあって」

 「あー、それって、あたしのお下がり。ばーちゃんが作ってくれたんだよ。脱いだパジャマを

入れて、ベッドに置いておくやつ」

 「で、夢の下?ベッドの下だ!」

 と、裕信君が、引きずり出したのは、パンパンに膨らんだ、白い袋。刺繍のシロクマが、タヌ

キの様にお腹を膨らませて!

 「こりゃ、食べ過ぎだ!」