くぅばーたん 福になる2「秘密は、ないしょ?

 「シー、静かに」

 サーちゃんの合図で、裕信君が、廊下の様子をうかがって、そっとドアを閉めた。 

 それから、声をひそめて、

 「これは、ないしょだぞ」

 と、皆の顔を見回した。

 サーちゃんと裕信君。ター君と真一君とナッちゃん。「大志館」の子ども達が集結だ。

 皆の目が、サーちゃんの持っている、ライさんの置いていった手紙に集中。

 「これは、ないしょの手紙です。とても大事な秘密。私がアメリカに帰った頃、そうね、十日したら開いて下さい」

 と、ライさんは言った。今日がその十日目。

 サーちゃんが、緊張しながら、手紙を開けた。と‥‥‥‥。

 「探してごらん、虹の向こう。夢の下のシロクマさん。食べ過ぎちゃって、お腹が痛い。シクシク泣いたあの夜の、忘れられない子守唄。感謝の気持ち、さーどうぞ」

 「なんじゃ、こりゃ!」

 「見れば分かるでしょ、なぞなぞよ」

 「なぞなぞ?なぞだぞ、なぞなぞ」

 「なじょなじょ、こしょこしょ」

 真一君が、ナッちゃんをくすぐるまねをして、二人でくすくす笑い。

 「もう、ふざけないで!さー、探しにいきましょ」

 サーちゃんが、スックと立ち上がった。

 「どこへ?」

 「虹の向こう」

 「虹の向こうって‥‥。どこ?虹?」

  タッ君が、口を尖らせた。

 「そうか、分かった!オズの国だ」

 裕信君も、膝を叩いて、立ち上がった。

 「ほら、いつか、キーちゃんがうたってくれただろ。オズの魔法使いの歌だって。『虹の向こうに』って言う歌」

 「このいえにある『オズの国』は、隠し部屋だ」

 さーちゃんちの隣りの小部屋は、昔、秘密の隠し部屋だった所で、ついこの間まで、壁一面に「オズの国」の絵が書いてあった。

 皆は、ドドッと、一斉に廊下へ突進!

 「秘密だ、秘密だ!」と、叫びながら。