くぅばーたん 福になる24お茶をどーぞ

 クッキーをつまみながら、五郎さんとくぅばーたんは、三時のお茶。音楽室からは、キーちゃ

んが弾くピアノの音が流れて来て、「大志館」の時は、まったりと過ぎていた。

 「今年は、おひな様、どこに飾ろうかな」

 「もうそんな季節だね。どこに飾るって?いつものホールでいいだろう」

 「ホールに飾るのは、もうこりごり」

 くぅばーたんが、イヤイヤと首を振った。

 「どうして?皆に見えていいでしょう」

 五郎さんは、もう一枚クッキーを食べようかどうしようか、悩みながら答えた。

 誕生月検診で、太り過ぎに注意といわれたので、さすがの五郎さんも気にしている。

 「去年の事、忘れちゃったの?ホールに飾って、大変な事になったでしょ!」

 「うー、そうだっけ?」

 「菱餅の取り合いで、サーちゃんとター君がけんかして、裕信君と真一君が止めに入ってくれ

たのはいいけど、真一君が階段の上の段から落ちて来て」

 「そうそう、階段下に飾ってあったひな壇に落ち来たんだ。ひな壇が在ったから、大事になら

なくて済んだけどね。うん」

 クッキーに手を伸ばしながら、五郎さんが言うと、その手をピシャッと叩いて、

 「もうー、五郎さんたら!壊れたおひな様を修理してもらうのに、幾らかかったと思うの。と

んだ散財だったのよ」

 「そうー、だったかなー」

 五郎さんは、名残惜しそうに、クッキーから手を引っ込めた。

 「そうだ、2号室に飾りましょう」

 くぅばーたんは、お茶を入れ替える為に立ち上がった。

 「それはいい。武蔵さんが居なくなってから、2号室は使われてないもの」

 と、五郎さんは、クッキーを二枚口に放り込んで、モグモグモグ。

 「明日にも飾りましょう。今日中に、2号室、片付けてくださいね」

 くぅばーたんが、五郎さん振り返った。

 五郎さんは、目を白黒させながら、親指と人差し指で丸を作って、OKサイン。

 くぅばーたんは、ジロリと五郎さん見て、(なんか、怪しいわね)と、呟いた。

 その時、「大志館」の玄関が、賑やかになった。

 「お姉ちゃん、帰ってる?」

 ター君の声だ。

 「未だですよ」

 「未だだって。おやつ食べて待ってよう」

 そういって、くぅばーたんの家のキッチンに入って来たのは、ター君と真一君とナッちゃん。

 「あら、あなた達、学童保育は?」

 「休んだよ。あー、クッキーだ」

 「手を洗ってからよ」

 「はーい」

 3人は、先を争って、洗面上に突進。

 「ねー、これだもの。ホールにおひな様を飾るのは、危険すぎるわ」

 くぅばーたんが、クスッと笑った。