くぅばーたん 福になる23「泣き上戸」

 今日のパーティーは、いつも以上に賑やか。

 「大志館」に住んで居る六家族十五人に加えて、お客さんが四人。千兵さんに、退院して来た

ばかりの大陸さんとその付き添いさんに、スペシャルゲストのライさん。

 ター君は、ライさんが気になって仕方がない。身の上話が、気に入ったようだ。

  「スパイ、かっこいいのに。どうしてならなかったの」

 と、ター君が、きくと、

 「スパイ、卑怯。人をだます仕事、かっこいくない。おまけに祖国を売るなんて‥‥」

 と、ライさんは首を横に振った。

 と、突然、大陸さんが、大きな声で泣き出した。

 「ごめんなさい。私は、卑怯者の詐欺師です。インチキな土地を売って、儲けて‥‥」

 事情を知らない人は、怪訝そう。

 そこで、五郎さんが説明。

 「大陸さんの息子さんが、沼地だった所を造成して、家を建てて売って大もうけ。でも、すぐ

に地盤が沈んで、家が歪んじゃって」

 「それ,テレビで見たわ。閉めてもいないのに、ドアが勝手に閉まっちゃうの」

 野口の母ちゃんが、解説。

 「息子さんは、儲けたお金を持って逃げて、『市立病院前駅』にマンションを買って」

 ここは、麗さんの出番。

 「その人よ!あたしにデザイン頼んで、文句ばっかりつけて、デザイン料払わないで」

 「市立病院周辺の土地を買い占めて、うちの幼稚園まで買収しようとしたのよっ!」

 そう言って怒ったのは、美鈴さん。

 「その話は、解決した事でしょ。ささっ、もうみんな、水に流して。ねっ!」

 と、くぅばーたんに言われて、大陸さんは、もう一度、激しく泣き出した。

 「私は、自分が貧乏で苦労したから、息子にはお金の苦労をさせまいと、甘やかしてしまっ

た。あー、間違いでした」と。

 ライさんが、大きくうなずいた。

 「お金儲け、良くない考え。間違い」

 ター君が、ビックリして叫んだ。

 「げっ、間違ってるの? 僕の将来の夢、お金持ちだよ!」

  ライさんが、人差し指をたてて振って、

 「ノー、ノー。目的のため頑張って、お金が儲かる。それ、ラッキー。でも、夢はもっとビッ

グよ。ビッグな夢叶えるために、何をする?それが大事。私、弱い人の権利守りたい思った。子

どもの時から差別されて、悔しかったからね。だから、弁護士になった。ハードに勉強して、弁

護士になって、沢山、仕事頑張って、ちょっとだけお金持ち。それで、恩返し出来てハッピー

よ!これ、くぅばーたんのおじいちゃんに教わった考えです」

 と、ニッコリ笑った。

 それを聞いた、大陸さんは、またまた涙。

 「あー、私も同じ事を、くぅばーたんのおじいちゃんから教わって、実行して来たのに。息子

には、教えてやらなかったばかりに」と。

 それを見ながら、野口の父ちゃんが、ぼそりと言った。

 「あの爺さんの酒は、泣き上戸ですかね」