くぅばーたん 福になる15チビじゃ、ないや

 ミーちゃんは、もうすぐ「白百合保育園」の年長さん。

 「お兄さん、お姉さんになるんだから、がんばってね」

 と、桃井先生に言われて、張り切っているのに。

 「大志館」の皆は、すぐに、ミーちゃんをチビ助扱い。

 けさだって‥‥‥。

 「ミーちゃんは、保育園へ自転車で送ってもらうんだね。ラクチンでいいなー」

 と、真一君に言われた時、お兄ちゃんのナッちゃんは、

 「しょうがないよ、ミーちゃんはチビだから。保育園、遠いもん」

 なんて、言っちゃって。

 ミーちゃんの母ちゃんまで、

 「ほらほら、早く乗って!時間が無いんだから、おチビちゃん」

 っていったもんだから、ミーちゃんのへそは、曲がりに曲がって、

 「あたし、歩いて行く!」

 ミーちゃんは、母ちゃんをおいて、ズンズンと門の外へ。

 「ちょっと、まちなさい。あぶないよ」

 ミーちゃん母ちゃんの美鈴さんは、自転車をひいて、後を追った。

 急ぎ足で歩くミーちゃんの脇を、

 「お先に」

 と、言いながら、サーちゃんと真帆ちゃんと、亜由美ちゃんが追い越して行った。

 その直ぐ後から、タッ君が、

 「どけどけ、チビ助!じゃまだよ」

 と、あかんベーをしながら、脇をすり抜けて行って!

 みーちゃんの足は、止まってしまった。

 泣きたくなんかないのに、なんだか、涙が浮かんで来て、こぼれそう。

 追いついて来た母ちゃんが、

 「お願い、ミーちゃん、自転車に乗って!あたしが遅刻しちゃうよー」

 と、泣き声を上げた。

 美鈴さんの自転車の後ろを押して手伝っていた裕信君が、ミーちゃんに目であいず。

 「ミーちゃん、自転車に乗って上げな。母ちゃんが助けてくれってさ」

 (え?母ちゃんを助ける?)

 「大人にも、つごうがあるんだって」

 そういわれると、なんか、母ちゃんを助けても良いかなーって、ミーちゃんは思って、

自転車のうしろの椅子へよじ上った。

 自転車で保育園へ向うとちゅう。

 自分の荷物の入ったリックをしょって、どっこいどっこい歩いている、優美ちゃんに会った。

 優美ちゃんの前には、二人乗りのベビーカーを押して居るママ。

 「大変だ、優美ちゃんち、赤ちゃん双子なんだね」

 ミーちゃんは、そっと優美ちゃんを盗み見。

 美鈴さんは、自転車の速度を落として、

 「お早うございます」

 と、優美ちゃんのママにあいさつをした。

 ミーちゃんは、なんだか、下を向いて‥‥小さくなっていた。