くぅばーたん 福になる13天国への距離

 くぅばーたんが、教会の門を出ようとした時、

 「くららちゃん、お久しぶり」

 と、肩を叩かれた。

 振り返ると、幼馴染みの淳子ちゃんだった。

 「お変わりなくて」

 そういって、淳子ちゃんは、ククッと笑った。

 くぅばーたんは、何と答えていいか分からなくて、ニィーと笑ってみせた。

 (教会に来るの、長い間休んでいたから、あたし。久しぶりだけど‥‥‥)

 なんだか、ずる休みをとがめられているようで、気まずかった。

 「日曜学校以来だから、五十年ぶり?」

 淳子ちゃんの目が、いたずらっぽく、くるんと回った。

 (失礼ね、そんなんじゃないわよ。わたし、時々は、教会に来てたんだから。結婚式だって教

であげたんだし)

 と、いいかけて、くぅばーたんは、ハッと気づいた。小学六年生の時に、淳子ちゃんが、事情

があって転校していった事を。

 「久しぶりに来てみたら、びっくりしちゃった、教会が引っ越ししていたから」

 そういって、淳子ちゃんがククッと笑った。

 「そうなのよ、引っ越ししたのよ。あたしの家の直ぐ前にあった教会が、団地が出来るからっ

て引っ越しして、遠くなっちゃって。足も遠のいた。天国も、遠くなっちゃった!ククッ」

 淳子ちゃんのククッ笑いが、くぅばーたんにも移ったようだ。

 「あたしも久しぶりよ、教会に来るの」

 淳子ちゃんが、クッと肩をすくめて、

 「でも、これからは、教会へ行く事にしようかな。うちの近所にも、教会が在るから」

 と、ククッと笑った。

 「そうだよ、お互い年だからね。天国ヘ行く時が近づいて来たんだから」

 「神様に、顔売っておかなくちゃね」

 そう言ってくぅばーたんは、淳子ちゃんと声を合わせて笑った。そして、

 「じゃあねー、バイバイ」

 と、手を振って別れた。昔、していた様に。