93話 くぅばーたん60「ワイン、飲みまくり」

 「ぶっちゃけた話、おたくの幼稚園はどうなるの?」

 野口の母ちゃんが、ワインの栓を抜きながら美鈴さんにきいた。

 「売る事になりそう」

 と、美鈴さんが、ワイングラスを差し出した。

 「それって、廃園?それとも、オーナーチェンジ?」

 麗さんも、ワイングラスを差し出しながらきいた。

 「大志館」に住むママ達の日曜日のお楽しみ、午後のワイン会だ。

 「広子さんも居ればよかったのにね」

 「帰り、遅いね」

 「うん。遅すぎ。少し心配」

 里帰りが長引いている広子さんとサラチャンの事が、三人は心配なのだ。

 「でも、こうして、酒盛り出来るのも、武蔵さんの残してくれたワインのおかげ」

 アメリカのワイナリィーの権利を持っていた武蔵さんの所には、毎年大量のワインが送られて来たのだ。地下室に沢山眠っている。

 三人は、ガブガブとワインを飲んでいる。

 「毎週三人で、3本づつ空けて、一月で12本。1年で、144本。一本3000円として………432000円。432000円!すごい遺産よ」

 「それも、毎年アメリカから送ってくるんだから、この先、何十年もだ」

 「有り難う,武蔵さん!じゃんじゃん飲んじゃおう!」

 「飲んじゃおう!」

 「飲むゾー!」

  と、三人は大いに盛りあがる。

 「ところで、幼稚園の事だけど………」

 「買い手の房総不動産は、幼稚園経営は続けたいって言ってんだって」

 「そうだよ、ニュータウンには幼稚園は必需品だもん。だいじょうぶ、園長交代なだけで、幼

稚園は続くって」

 「でも、房総不動産の社長って、やな奴だよ。いちゃもんつけては値切ろうとして」

 話も大いに盛りあがる。

 「ところで、お義母さんが、一肌脱ごうと言ってたとかきたけど、なにするの?」

 麗さんの質問に、「分かんない」と美鈴さんが肩をすくめた。

 「大家さん、きのうのパーティーの時、カケスの社長に、『東幼稚園の土地って幾らぐらいな

ら買えるの』ってきいてた」

 「それで、カケスは何て、答えたの?」

 「『ここの畑を売ったぐらいだね。何ならここ買うよ』って、ケラケラ笑ってた」

 「それって、バカにしてる」

 「お義母さん、かわいそうー」

 「どっちもこっちも悪党ばっかり!」

 「これが、飲まずに居られますっかってんだ!」

 と、怒りながら、三人は、ワインを飲みまくった。