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くぅばーたんの旦那さんの五郎さんといえば、のんき者で通っているが……。 さすがの五郎さんも、「そうそうのんきにかまえては居られないぞ」と、思っている事があ る。それは、美鈴さんが勤めている幼稚園を買収しようとしている「儲け主義のどっかのバカ」 の事だ。
どうやらくぅばーたんは、その「儲け主義のどっかのバカ」と戦うつもりらしいからだ。 (くーちゃんが、それほど闘志を燃やす相手は………千ちゃんしかいない) 幼馴染みの、カケス建設の社長の千兵だ。 子どもの頃から、くぅばーたんを知っている五郎さんは、くぅばーたんが、やる気を出したら 何をしでかすか分からない、向こう見ずな無鉄砲者だと言う事も承知だ。 (とんでもないことにならなければいいが) と、五郎さんは、ため息をつく。 「あら、めずらしいわね。五郎ちゃんがため息をつくなんて。郵便局の仕事が上手くいってな いの?そうよね、あの郵便局は、五郎ちゃんのおじいちゃんの郵便局だったんだものね。突然、 民営化するって、取り上げられちゃたまったもんじゃないわよね。でもね、決まっちゃったんだ からあきらめなさい。美味しいココアを入れるから、それ飲んで元気出して」 と、くぅばーたんは、ココアを入れた。 そのココアを、美味しそうに飲んだ五郎さんは、 「いや、仕事は今月限りで辞めるよ。仕事を辞めるのは、寂しいというより、楽しみなくらい だ。毎日が日曜日になるんだからね」 と、くぅばーたんに言った。 「あら、じゃ、何なの?悩みの種は」 「あの、美鈴の………」 「そうそうその事ではね、カケスの千…」 「だめだめ、千ちゃんとケンカしちゃいけない」 慌てて五郎さんが、止めると、 くぅばーたんは、 「だれが、千ちゃんとけんかするの?」 と、不思議そうな顔。 「いや、くーちゃんが、ここいらの『儲け主義のどっかのバカ』は千ちゃんだって思っている んじゃないかと………」 それをきいて、くぅばーたんは大笑い。 「だれが、友達の事、そんな風に思うもんですか」 「でも、くーちゃんは、千ちゃんと」 「仲は悪いですよ。あんなやつ大嫌い。でも、大嫌いな友達。仲の悪い友達なんです」 「そうだよね。千ちゃんとくーちゃんは、ケンカ友達だよね」 と、五郎さんはほっと一息。 が……、くぅばーたんは、一点を見つめて、 「五郎ちゃんの言う通りかもしれない。この辺りの金持ちで『儲け主義のどっかのバカ』は、 千兵しかいないもの」 と、思い始めていた。
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