65 くぅばーたん41「バーベキュー」

 「ひさしぶりだねー、バーベキュー」

 「ほんと、この夏、初めて」

 「おれ、いっぱい食うぜー」

 「あたしが一番!」

 今日は、九月二日、日曜日。ちょい長い夏休みの最後の夜。

 「大志館」恒例の「さよなら、夏休み」のバーベキューパーティーだ。

 八月の始めに亡くなった武蔵さんの、「さよなら、おじいちゃん先生」の会でも有る。

 「大志館」は、くぅばーたんが大家の、七家族、十八人が住んでいるアパートだ。

 今日は、全員揃ってのバーベキュー。ハンバーグに骨付きチキン。ポークチャップにサンマ。

トウモロコシに茄子にタマネギ。カボチャにジャガイモに、ピーマン。盛り沢山!

 「そろそろ焼けて来たな」

 コンロの仕切りは、くぅばーたんの長男の正太郎さん。

 「じゃー、乾杯といきますか」

 飲み物を仕切るのは、くぅばーたんの二男のキーちゃんと5号室の野口さん。

 「その前に、記念写真を撮っておこう」

 カメラを構えたのは、6号室の谷さん。

 「さあさあ、早いとこ並んで。急がないとハンバーグが炭になっちゃうわ」

 くぅばーたんの長女の美鈴さんが、集合写真を仕切る。幼稚園の先生だから、慣れてる。

 「ワイン、5本で足りるかしら」

 小声で相談しているのは、野口さんの奥さんと、正太郎さんのお奥さんの麗さん。

 「さっ、お母さんが真ん中で、子ども達が前。熱いから、かまどに、気をつけてね」

 と、美鈴さんが注意した先から、

 「げっ、アチチー」

 と、悲鳴が上がった。

 横から割り込んで来たター君が、かまどに手をついたのだ。正太郎さんの息子の小2。

 「ほんと、ドジなんだから、うちの弟」

 そういったのは、小4のサーちゃん。四人いる、くぅばーたんの孫の親分だ。

 「ミーちゃんとナッちゃんも気をつけて」

 お母ちゃんの美鈴さんにいわれて、くぅばーたんの膝に乗ったのは、4歳のミーちゃん。

 ミーちゃんのお兄ちゃんのナッちゃんは、野口さんちの真一君を真ん中に入れてあげる。

 真一君とナッちゃんは、同級の小1。

 「ナツ、サンキューな」

 そういって、ナッちゃんの肩に手を置いたのは、真一君のお兄ちゃんの小四の裕信君だ。

 その脇に、サラちゃんをおぶった広子さん。

 「ジイちゃん先生に、『さよなら』よ!」

 サーちゃんの号令で、皆いっせいに、カメラに向って、ニィーと笑った。

 と、その時。

 「オッと、夫は、忘れられたかな」

 と、トマト畑から、のそっと顔を出したのは、くぅばーたんの旦那さんの五郎さん。

 「おまちどー、冷えたビールとジュース」

 クーラーボックスを抱えて、汗だくでやって来たのは一也さん。美鈴さんの夫さん。

 そこで、もう一度、お別れのやり直し。

 「さよなら、武蔵さん!」と、ハイポーズ。