|
|
|
「ひさしぶりだねー、バーベキュー」 「ほんと、この夏、初めて」 「おれ、いっぱい食うぜー」 「あたしが一番!」 今日は、九月二日、日曜日。ちょい長い夏休みの最後の夜。 「大志館」恒例の「さよなら、夏休み」のバーベキューパーティーだ。 八月の始めに亡くなった武蔵さんの、「さよなら、おじいちゃん先生」の会でも有る。 「大志館」は、くぅばーたんが大家の、七家族、十八人が住んでいるアパートだ。 今日は、全員揃ってのバーベキュー。ハンバーグに骨付きチキン。ポークチャップにサンマ。 トウモロコシに茄子にタマネギ。カボチャにジャガイモに、ピーマン。盛り沢山! 「そろそろ焼けて来たな」 コンロの仕切りは、くぅばーたんの長男の正太郎さん。 「じゃー、乾杯といきますか」 飲み物を仕切るのは、くぅばーたんの二男のキーちゃんと5号室の野口さん。 「その前に、記念写真を撮っておこう」 カメラを構えたのは、6号室の谷さん。 「さあさあ、早いとこ並んで。急がないとハンバーグが炭になっちゃうわ」 くぅばーたんの長女の美鈴さんが、集合写真を仕切る。幼稚園の先生だから、慣れてる。 「ワイン、5本で足りるかしら」 小声で相談しているのは、野口さんの奥さんと、正太郎さんのお奥さんの麗さん。 「さっ、お母さんが真ん中で、子ども達が前。熱いから、かまどに、気をつけてね」 と、美鈴さんが注意した先から、 「げっ、アチチー」 と、悲鳴が上がった。 横から割り込んで来たター君が、かまどに手をついたのだ。正太郎さんの息子の小2。 「ほんと、ドジなんだから、うちの弟」 そういったのは、小4のサーちゃん。四人いる、くぅばーたんの孫の親分だ。 「ミーちゃんとナッちゃんも気をつけて」 お母ちゃんの美鈴さんにいわれて、くぅばーたんの膝に乗ったのは、4歳のミーちゃん。 ミーちゃんのお兄ちゃんのナッちゃんは、野口さんちの真一君を真ん中に入れてあげる。 真一君とナッちゃんは、同級の小1。 「ナツ、サンキューな」 そういって、ナッちゃんの肩に手を置いたのは、真一君のお兄ちゃんの小四の裕信君だ。 その脇に、サラちゃんをおぶった広子さん。 「ジイちゃん先生に、『さよなら』よ!」 サーちゃんの号令で、皆いっせいに、カメラに向って、ニィーと笑った。 と、その時。 「オッと、夫は、忘れられたかな」 と、トマト畑から、のそっと顔を出したのは、くぅばーたんの旦那さんの五郎さん。 「おまちどー、冷えたビールとジュース」 クーラーボックスを抱えて、汗だくでやって来たのは一也さん。美鈴さんの夫さん。 そこで、もう一度、お別れのやり直し。 「さよなら、武蔵さん!」と、ハイポーズ。 |