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今日は大雨。バシャバシャと、大粒の雨が地面を叩く。その上、風もビュンビュン。 くぅばーたんは、この雨風で、梅の実が落ちてしまうのではないかと心配だ。杏の実も。 「ジャムが作れなくなるわ。それより、もっと心配なのは・・・」 くぅばーたんが、心を痛めているのは、大平さんの農園を思ってだ。 丹誠こめて作っても、雨風、嵐で一瞬のうちに、その成果が吹き飛んでしまう。 太平さんの農園だけでない。佐多さんの畑だって、山谷さんの田んぼだって、心配。 「この風じゃ、海も荒れるでしょうね。太郎浜の与根さん、漁に出られるかしら」 心がかりは広がって、遠く、アフリカの地を思う。 「雨が降らないで困っている国や、日照りで苦しんでいる人たちに、この雨を運んであげられ ると良いのにね」 それにしても、強い風だ。 くぅばーたんは、二階のバルコニーの手すりが気になって、バルコニーをのぞいた。 「ああら、大変!折れちゃってる」 もっと早くに、直しておくべきだったと思いながら、空を見上げた。雨、雨、雨! くぅばーたんは、大工の棟梁の病院にお見舞いに行きがてら、手すりの修理やら、何やらの仕 事を頼みたいのだ。 (思い立ったが吉日っていうでしょ) こう思うと、実行せずにはいられないくぅばーたんで、うろうろと廊下を歩き回る。 「大家さん、どうかしたんですか?」 広子さんが、不思議そうに声をかけた。 くぅばーたんは、今直ぐに、隣町の日赤病院へお見舞いに行きたい訳を説明した。 「でも、どしゃぶりで、困っているの」と。 「車で行きましょう。あたしが、運転しますから。旦那さんの車、空いてますよね」 広子さんの声の力強い事! 「それは、大助かりよ。お見舞いには……、ピクニックのために作ったブラウニーが残ってい るから、あれをラピングして!我ながら、美味しくできたもの、喜んでくれるわ」 屋根裏から出して来たチャイルドシートにサラちゃんを乗せて、三人で病院へ向った。 棟梁の病室を訪ねると、先客が居た。 「うちの旦那の師匠の息子さん。わざわざ、千葉から来てくれたんですよ」 棟梁の奥さんが、先客の若い男を紹介した。 その人は、しげしげとくぅばーたんの後ろに控えていた広子さんとサラちゃんを見て、 「もしかして、テツ兄イーの奥さん?」 と、いった。 ひろこさんは、息をのんで、固まった。 「だって、その子、サラでしょうが?テツ兄イーの娘の。兄イー、心配して……」 広子さんは、イヤイヤと首を振るばかり。
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