49話 くぅばーたん27「朝のお楽しみ」

 くぅばーたんの朝の楽しみ。それは、玄関前の掃除。

 と、いうか、掃除をしながら登校する子ども達に「お早う!」と声をかけるのが楽しいのだ。

 「サーちゃんおばあちゃん、行ってきまーす」

 と、朝一番に飛び出して行くのは、裕信君。

 その後を追いかけて、

 「お兄ちゃん待ってー」

 と、階段を転げるように急いで駆け下りてくるのが真一君。

 「ター君おばあちゃん、お早うー」

 と、靴をひっかけてかけて、裕信君を追う。  

 くぅばーたんのことを、裕信君はサーちゃんおばあちゃんと呼んで、

真一君は、ター君おばあちゃんと呼ぶ。

 裕信君は、サーちゃんの同級生で、真一君は、ター君の同級生。四年生と二年生だ。

 「もー、ター君たら、イヤンなっちゃう」

 と、毎朝プーッとした顔で部屋を出てくるのが、サーちゃん。

 途中まで一緒に行こうと、孫達を玄関で待っていた五郎さんに、

 「サーちゃん、朝からふくれていると、ブスになるぞ。」

 といわれて、サーちゃんは、言い返す。

 「おばあちゃんみたいに?」と。

 「おばあちゃんは、ブスじゃ……」

 と、返事に困るおじいちゃん。そんなおじいちゃんを見て、サーちゃんの顔が笑顔になる。

 いつもなら、そこに、美鈴さん一家が現れるのだ。だが、今日は、美鈴さんの姿が無い。

 ミーちゃんとナッちゃんと、一也さんだけ。

 「あら、美鈴は?」

 「朝、早くに出て行きました。職場で、なんか有った様で………。すいませんが、

お義母さん、ミーちゃんを今日一日、預かってもらえませんか?」

 そういって、一也さんは、頭を下げた。

 「あら、ミーちゃん、具合が悪いの?」

 「どうも、旅行の疲れが出たみたいで」

 それをきいて、ナッちゃんが、

 「ぼくも、疲れた」

 と、くぅばーたんに抱きついて来た。

 「だめよ、ナッちゃんは、学校の人でしょ。一年生、頑張れ!でしょ。さっ、行こう」

 サーちゃんが、ナッちゃんの手を引っ張って出発だ。

 「サーちゃん、行こうー」

 門のところで、真帆ちゃんと亜由美ちゃんが手を振っている。

 三人のお姉さんに取り囲まれて、ナッちゃんは、嬉しそうに歩いて行く。

 「おーい、ター君、置いて行くぞー」

 五郎さんに呼ばれてはじめて、ター君が部屋から顔を出した。

 「おじいちゃん、郵便局のところまで、自転車に乗せて行って」

 ター君は、五郎さんの自転車の後ろに乗って、出発だ。

 くぅばーたんは、門の外で皆を見送る。皆の後ろ姿が小さくなって、見えなくなるまで。

 今朝は、ミーちゃんと一緒に。