46 くぅばーたん24「新住人の住む部屋」

 ター君は、つまんない。

 「僕もどっかに行きたいよ」

 連休が始まって、キーちゃんちは、一也さんの田舎、静岡へ。

 野口さん一家も、故郷の岩手へ里帰り。

 「ぼくも、新幹線に乗りたーい!」

 パパの正太郎さんが、いやいやと、首を横に振った。

 「毎日新幹線で移動しながら働いてんだよ、パパは。休みの日ぐらい、家にいさせてくれ」

 サーちゃんは、もっとつまらない。つまらないどころか、腹を立てている。

 (だって、いやなんだもん)

 せっかくパパが休みなのに、パパは、大掃除の手伝い。

 隣の部屋、お化けがすんでる「開かずの間」の片づけ。

 そこに、海野さん親子が住むのだという。

 (だいいち、あそこ、あたしの部屋だし)

 いつか、くぅばーたんが、サーちゃんに、「使ってもいいよ」と言ってくれた部屋だ。

 (なんでも、あたしの物、取っちゃってさ)

 サーちゃんが腹を立てている相手は、海野さん?

 「おばあちゃん、さくらちゃんばっかりかまっちゃって。あたしのおばあちゃんなのに」

 サーちゃんは、一言文句が言いたくて、くぅばーたんの部屋へ。

 くぅばーたんは留守。部屋には、海野さん親子だけが、居た。

 「何してるの」

 「うん?この子、うんちをしちゃったの」

 さくらちゃんは、ママにオムツを替えてもらっていた。

 「この子のおしり、赤くなってるのよ。タオルで拭いたあげたいんだけど、タオルを濡らして

くる間、この子を見ててくれない」

 「いいよ」

 おむつを外されて、足をばたばたさせているさくらちゃん。

 サーちゃんを見て、にこにこ笑ってる。だが………。

 その足には、沢山の青あざ。お腹にも、お尻にも。

 サーちゃんは、自分の手で、自分の口にふたをした。そして、

 (わー、かわいそう)

 という声をのみこんだ。

 大人達が、「開かずの間」の片付けをしている間、サーちゃんは、さくらちゃんと遊んだ。

 何でもなめちゃうさくらちゃんに貸すのは××××だけど、お気に入りのぬいぐるみ、

羊さんも貸してあげて。

 サーちゃんは、海野さん親子が、気の毒だった。

 さくらちゃんが、本当に,本当に、かわいそうだった。

 片付いた「開かずの間」が、虹色に輝いているのを見るまでは。

 「あたしが、子供の頃使っていた部屋なのよここは。魔法の国みたいでしょ」

 と、くぅばーたんがいうのを聞くまでは。

 (あたしの・・・部屋・・・)