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月曜日は、くぅばーたんのお出かけ日。 第一と第三の午前中は、中国語教室。 第二と第四は、ボランティア(手芸品を作って寄付する会)。 そして、友達と近くのファミリーレストランでランチして。 午後は、ヨガかダンス。 それから、市民病院へ。1号室の武蔵さんのお見舞いだ。 武蔵さんは、入院してもう四ヶ月になる。 「直ると良いんだけど………」 お医者様の話では、直る見込みは無いそうだ。 それを思うと、病院への坂道を登るくぅばーたんの足も、重くなる。 武蔵さんは、独身で、子供も居ない。 「武蔵さん、ご機嫌いかが?」 くぅばーたんが病室をのぞくと、武蔵さんの姿が無い。 「画伯は、リハビリだよ」 と、隣のベッドの人が、教えてくれた。 くぅばーたんが、持って来た荷物を整理しているところに、 武蔵さんが、車椅子に乗せられて帰って来た。 「ああ、大家さん。いつもすまないね」 「リハビリ、始めたんですか?」 武蔵さんは、「もう死ぬだけだ。リハビリなんていらん」と強情をはっていたのだが。 「やり残した事が有るからね、このまま、病院でくたばる分けにはいかんしな」 そういいながら、武蔵さんは、ベッド移った。つらそうに、体をよじって。 「手伝う?」 「いや、いい。これもリハビリだ」 武蔵さんは、本気で頑張っていると、くぅばーたんは嬉しくなった。 「やり残した事って、何ですか?」 「身辺整理。少しだが、遺産も有るからね。くーちゃんが、貰ってくれると良いんだが」 武蔵さんはそういって、くぅばーたんに目をやった。 くぅばーたんは、首を横に振った。 「まだ、ママの事が許せないか………」 武蔵さんが、くぅばーたんの手を取った。 くぅばーたんは、子供のようにこくんと頷いて、「あの人キライ!」と小さな声で言った。 武蔵さんは、くぅばーたんの両親の絵描き仲間で、三人で協同制作した絵が高く売れて、 そのお金で三人はアメリカのカルフォニアにブドウ園を買った。そこを拠点に、活動するつもり だったのだ。 しかし、間もなく、くぅばーたんのパパは亡くなって、武蔵さんは、その遺骨を持って日本に 帰って来た。 くぅばーたんのママは残って、間もなく再婚した。 農園からの収益として、武蔵さんはワインを受け取っているのだ。 「そういえば、昨日は誕生会だっただろ?ワイン、飲んでくれたかい?」 そういって、武蔵さんは、くぅばーたんの手をもう一度握った。 くぅばーたんは、イヤイヤと首を何遍も振って、上を向いた。 その目には、涙がいっぱいたまっていた。 |