|
|
||
|
ガッチャン!ガッチャン! バシャバシャー! くぅばーたんは、玄関前の井戸端で仕事中。 手押しポンプで水を汲み上げ、採って来たばかりのフキを洗っている。 「老体にむち打って、がんばっているね」 という声に振り向くと、キーちゃんが、立っていた。 「ばあたん」 可愛い声の主は、孫のみーちゃん。 「あらっ!どうしたの?キーちゃんが、保育園にお迎えに行ったの?」 「『あらっ!どうしたの?』はないだろう。おふくろに連絡しても連絡がつかないから、 美鈴が困ってたぞ。なー、みーちゃん」
「美鈴に、なんか有ったの?」 「知らねー、関係ないしー」 キーちゃんは、ふざけた調子で答えた。。 代わりにミーちゃんが説明だ。 「かあたんの幼稚園の園長先生が、交通事故したんだって」 知らないと言ったキーちゃんが解説。 「それが、飲酒運転だとさ。女のくせに昼間から酒飲んで、電信柱にぶつかって! それが、シルバーのベンツ!幼稚園って、そんなに儲かるのかね。それなら、美鈴の給料上げて くれってんだよ」 それを聞いて、くぅばーたんはドキッ! くぅばーたんは、クラクションを鳴らした車に、黒魔術を掛けた事を思い出していた。 (まさか、あたしの魔術なんて………) なんてわけは、無い。が、気になるくぅばーたん。 「いつ、どこでかしら、その事故?」 キーちゃんは首をすくめて、 「知らない。テレビ見てたら、放送するんじゃん。どこかのテレビ局が取材に来たって言って たから。それで美鈴が、忙しくなったってわけ。 それより、おふくろ、どこ行ってたんだ、ふらふらとさ」だって。 「ふらふらなんかしていません。フキを採りに行ってたのよ」 「お袋も生活苦しいんだね、道端の草取って喰わなくちゃなんないなんてさ」 「道端じゃありません。2丁目の空き地に一杯生えていてね、もったいないから………」 「2丁目の空き地って、団地の外れの?」 「ええ、あの田んぼ。休耕地なんでしょ」 「ちがうよ、あそこは、カケス建設の持ち物だよ。 あーあ、しらねーよ、カケスんちのフキ盗んじゃってさ、又もめるぜ」 と、くぅばーたんをからかうキーちゃん。 でも………、あれ?くぅばーたん、固まってるよ! ミーちゃんが、唄って、フー! 「すじーの通った、フーキー」って。 |
||