117話 くぅばーたん81ホットケーキが焼けたよ

 月曜日の朝は、なんかもじょもじょ。

 学校ヘ行くのがイヤなわけじゃないけど……。

 保育園がつまんないわけじゃないけど……。

 もじょもじょ、お尻が重たくて、もじょもじょ 口がとんがって、ブーっとほっぺたがふらんでくる。

 でも、今朝は、何かフワフワ。

 鼻が、くんくん上むいて、耳が、ひくひく広がって、自然と体がフーワフワ。

 「いいにおいだね、ミーちゃん」

 隣のベッドのから、お兄ちゃんのナッちゃんが、ミーちゃんに声をかけた。

 「うん。ホットケーキみたいなにおいだよ、お兄ちゃん」

 ミーちゃんが、クフンと笑った。

 「ばーちゃんが、持って来てくれたのかな?」

 ホットケーキは、ナッちゃんの大好物。メープルシロップを、ダボダボかけて!

 「でも、お台所に居るの、おかーたんだよ。歌なんか歌ってる」

 ミーちゃんの耳に聞こえて来るこの歌は、「ホットケーキのうた」だ。

 「♪ホットケーキを作るには、卵とミルクをかきまぜて、お粉をいーれて、かきまぜて、フラ

イパンでじゅじゅじゅー」

 「ごんべさんの赤ちゃん」の節で歌う、お母さん、美鈴さんの作り歌、替え歌だ。

 「さー、ホットケーキが焼けたわよ。皆起きて!」

 ママの呼ぶ声に、

 「はーい」

 と、飛び起きたのは、ナッちゃんとミーちゃん。そして、お父ちゃん。

 「たくさん焼いたからね、たくさん食べてよ」

 美鈴さんは、大はりきりだ。

 「やけに、元気だね。宝くじでも当たったのかな」

 お父さんの一也さんまで、ニコニコ顔だ。

 美鈴さんは、踊りながら答えた。

 「宝くじは……外れだけど、良いこと、とこやの縁の下。悩み解決!」

 「悩み解決で……、ホッとして、ホットケーキ」

 一也さんがそう言うと、

 「そんなダジャレは、ほっとけーき」

 だって、美鈴さん。

 「なんなの、いい事って?ボク知りたい、ほっとけーない」

 ナッちゃんまで、ダジャレいいっこに参加だ。

 「ホットケーキなら、いっぱいあるよ」

 ミーちゃんが、テーブルの上を指さした。

 「さー、食べて。好い事ってね、お母ちゃんが勤めている幼稚園がね、続けていけそうなの

よ。お母さんが地主になるかも」

 と、美鈴さんが言ったが、三人は聞いていない。

 ホットケーキに夢中、ネッチュー!集中だ。