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100個のチョコレート ピンポーン! チャイムを鳴らして、 「小包みでーす」 と、郵便やさんが届けてくれたのは、イチゴの模様の包装紙に包まれた贈り物。 奈々さんが、わくわくしながら開いてみると………。 現れたのは、赤いリボンの付いた丸い白い箱。 「帽子かな?」 帽子の箱のようですが………、それにしては少し小さい。 「お鍋かな?あたしの鍋、焦げ焦げで汚いから………」 それにしては、軽い。 「お花かもしれない!」 奈々さんは、箱に鼻を付けて、くんくんかいでみました。 甘い、好い匂いはするけど………、花の香りではないみたい。 奈々さんは、そーっとリボンをほどいて、箱の蓋を開けて、びっくり! 消しゴムほども有る、大きなチョコレートが、びっしりつまっていたんです。 イチゴの絵のついたカードも。 「奈々、ナースのお仕事、大変でしょうね。悲しい時、これを食べて頑張って下さい。 100通りの味がする100個のチョコレートです。八重より」 遠くの町に住む、奈々さんのお姉さんの八重さんからです。 「100個のチョコレート!どれも違う味がするなんて!」 奈々さんは、一つつまんで、くんくんしてみました。 「これは、イチゴ味ね」 もう一つつまんでくんくん。 「これは、ミントの味よ、きっと」 匂いをかぐだけで、ウキウキしてきます。 「悲しい時に食べなさいだって、お姉ちゃんったら」 奈々さんは、子ども扱いをされたようで、ほっぺたをふくらませて、ぶっ!としました。 「でも、悲しいときに食べたら、元気が出るかも。くふふ」 笑いかけて、奈々さんは、クビを振りました。 だって、新米ナースの奈々さんには、悲しい時が一日に何回も有るから、 アッという間にチョコレートは空っぽ。 「それじゃ………、さびしい」 おまけに、デブになりそうだし。 「そうだ!患者さんに、『ありがとう』って言ってもらえた時、ご褒美に食べよ!」 奈々さんは、チョコレートの箱の蓋を閉めて、赤いリボンをていねいに結んで、 両手を高く挙げて、大きく伸びをしました。 奈々さんの、「明日も頑張るぞ!」のポーズです。 |